花粉症
毎年冬から春先に鼻水や目のかゆみが出る人がたくさんいます。アレルギー性鼻炎・結膜炎です。
この時期に症状が出る人が非常に多く、一般的に花粉症と呼ばれていますが、毎年2月~4月頃(場合によっては11月~5月頃まで)に限っているのは、スギ花粉によるものです。
しかし、時期が違っても同様の症状が出ることがあり、他の花粉、例えばヒノキ花粉では3月~5月、イネ花粉では4月~10月に症状が出ます。季節によらず一年通して症状が出る場合は、ハウスダストやネコなどの動物アレルギーの場合もあります。
アレルギー性鼻炎に症状はよく似ていますが、冷気や乾燥や味覚によって起きる鼻炎や、薬剤や化学物質などによる鼻炎もあり、風邪などの感染症による鼻炎もあります。
【花粉の飛散時期(東海地方)】
アレルギー性鼻炎の典型的な症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりです。
症状が強いと、集中力・思考力の低下、倦怠感、睡眠障害など、日常生活に支障をきたす場合があります。
血液検査でアレルギーの反応を確認することでアレルゲンがおおよそ診断できます。
鼻アレルギー(花粉症を含む)の自然治癒は少ないと言われており、何らかの治療が必要です。
基本的には、抗原(花粉やハウスダスト)を除去したり回避したりすることが重要ですが、現実的には抗原への暴露を完全に避けることは難しく、薬の助けをかりて症状を楽にします。
アレルギー症状を引き起こす原因にヒスタミンがあります。多くの場合は、このヒスタミンの作用を抑える抗ヒスタミン剤を使います。
抗ヒスタミン剤には数多くの種類があり、作用の強いものから眠気の弱いものなど、それぞれ症状や体の状態に合わせて薬を処方いたします。
ほとんどの場合はこの薬のみで症状が改善しますが、さらに症状が強い時にはロイコトリエン拮抗薬を用いたり、局所に対して点鼻薬や点眼薬を用いたりします。
それでも症状は強い時には、ステロイドの内服や、アレルゲン免疫療法、手術などを行う場合もあります。
花粉症は年々増加傾向ですが、季節によって症状が出るアレルギーの人は、早めに抗アレルギー剤を飲むことによって、症状を軽くしたり、ほとんど出なくしたりすることができます。
毎年のように辛い花粉症の症状に悩まされているという方は、早めに内服を開始することをお勧めします。
また、花粉症の症状がスギ花粉とは違う時期や、一年中出る場合は、どういうものに対してアレルギーがあるかを採血で調べることもできますので、原因を特定するためには一度検査をしてみましょう。
原因がはっきりしない場合や、症状がなかなか改善しない場合は、専門医へ紹介することもできます。