高尿酸血症・痛風の解説と治療
【この記事の監修】 前川内科 院長:前川 直志(日本内科学会認定 総合内科専門医)
「足の指に激痛が走る」ことで知られる痛風ですが、その原因である高尿酸血症は、近年男性の5人に1人が該当すると言われるほど身近な病気です。
1. 高尿酸血症・痛風とは
血液中の尿酸値が7.0mg/dLを超えると高尿酸血症と診断されます。尿酸は水に溶けにくいため、増えすぎると結晶となって関節に溜まり、激しい炎症(痛風発作)を引き起こします。
- 男性に多い:男性の約20%、女性の約5%が該当し、現在も増加傾向です。
- 痛風発作:足の親指の付け根に多く、数日で改善しますが、放置すると繰り返します。
2. 痛風以外の合併症(全身への影響)
尿酸値が高い状態を放置すると、関節以外にも悪影響を及ぼします。
腎臓へのダメージ 腎臓に結晶が溜まると「痛風腎」となり、腎機能が低下。慢性腎臓病(CKD)の原因になります。
尿路結石 尿が酸性に傾くことで結石ができやすくなり、激痛を伴う尿管結石のリスクを高めます。
生活習慣病 高血圧やメタボリックシンドロームとの関連が強く、動脈硬化を間接的に促進します。
3. 食事療法のポイント
「ビールを控える」だけでは不十分です。以下の3つのポイントを意識しましょう。
● プリン体の多い食品を控える
プリン体は尿酸の「原料」になります。1日400mg以内が目安です。
- 特に多い:鶏レバー、マイワシ干物、白子、あんこう肝
- 多い:豚・牛レバー、カツオ、エビ、アジ干物
- アルコール:種類を問わず尿酸の産生を高め、排泄を阻害します。蒸留酒(ハイボール等)も飲み過ぎは厳禁です。
- 果糖(フラクトース):清涼飲料水や甘い菓子に含まれる果糖は、尿酸値を急上昇させます。
- 水分:1日2リットル以上の水分を摂り、尿と一緒に尿酸を出すことが勧められます。
- 乳製品:低脂肪乳やヨーグルトは、尿酸の排泄を助けることが報告されています。
4. 薬物治療について
目標値は「6.0mg/dL 以下」
数値が下がっても、尿酸の結晶が完全に溶けるまでには時間がかかります。自己判断で中止せず、継続することが再発防止の鍵です。
タイプに合わせた選薬:
尿酸が作られすぎるタイプか、出にくいタイプかを見極め、患者様の体質に合わせた処方を行います。
高尿酸血症は、食事管理とお薬でコントロール可能な病気です。
「痛くないから」と放置せず、将来の腎臓や血管を守るためにご相談ください。
「痛くないから」と放置せず、将来の腎臓や血管を守るためにご相談ください。








