腹部エコー

腹部エコー検査(腹部超音波)のすべて|前川内科(三重県津市)

前川内科 腹部エコー検査(腹部超音波検査)のご案内イラスト
消化器病専門医・肝臓専門医 監修

腹部エコー検査(腹部超音波検査)
受ける前に知っておきたいこと

「お腹の超音波検査って何を調べるの?」
「痛くない?時間はどのくらい?」
そんな疑問にわかりやすくお答えします。

こんな方にお勧めします

  • 健診で「肝機能異常」「脂肪肝の疑い」と指摘された
  • お腹が張る、右脇腹や背中が痛む
  • 食欲がなく体重が急に落ちた
  • 過去に肝臓・胆嚢・腎臓などの病気を言われたことがある
  • 家族に肝臓病や胆石の人がいる
  • 飲酒量が多い、生活習慣病がある
  • 症状はないが、定期的にお腹の臓器の状態を確認したい

1. 腹部エコー検査の利点

腹部エコー検査(腹部超音波検査)は、お腹に超音波を当てて内臓の状態を画像で確認する検査です。体への負担が少なく、多くの情報が得られます。

  • 😌
    痛みがないお腹にプローブ(探触子)を当てるだけで、注射や切開は一切ありません。
  • 🛡️
    被ばくの心配がないレントゲンやCT検査と違って放射線を使わないため、妊娠中の方でも安心して受けられます。
  • ⏱️
    短時間で終わる通常は5〜15分程度で完了します。検査後も特別な安静は不要です。
  • 🔍
    リアルタイムで観察できる動いている臓器をその場で観察でき、血流の状態も確認できます。

2. 検査で見る臓器

腹部エコーで主に確認する臓器は次のとおりです。

肝臓・胆のう・胆管・膵臓・腎臓・脾臓・膀胱・前立腺・腹部大動脈などを詳しく観察します。

ただし、胃や大腸はガスが多く写りにくいため、胃や大腸の病気が疑われる場合は内視鏡検査が必要になります。

腹部エコー検査で観察できる臓器の位置(肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓など)の図解
▲ 腹部エコーで観察できる主な臓器の位置関係

3. 検査を受けるときの注意点

食事や腸内ガスがあると画像が見えにくくなります。下記の点に気をつけてご来院ください。

  • 午前受診の場合は朝食を抜いて来院してください(前日の夕食後から絶食)
  • 午後受診の場合は昼食を抜いて来院してください
  • 水やお茶など少量の水分は問題ありません(コーヒー・牛乳・ジュースは避けてください)
  • 膀胱も確認する場合は、検査前にトイレに行かず、尿をためた状態で来院してください
  • 毎日服用しているお薬はいつもどおり飲んでかまいません

4. 検査の流れ

1
着替え・準備お腹を出しやすい服装でお越しください。ベッドに横になります。
2
ゼリーを塗るお腹にゼリーを塗ります。プローブとお腹の間に隙間なく超音波を伝えるためのものです。
3
臓器を順番に観察各臓器を丁寧に観察します。「息を吸って止めてください」とお声がけすることがあります。
4
体の向きを変えながら確認必要に応じて横向きや角度を変えながら観察します。
5
検査終了・説明5〜15分ほどで終了。結果について医師から説明があります。
腹部エコー検査の様子:ベッドに寝てお腹にプローブを当てて検査する場面
▲ 腹部エコー検査のようす(お腹にプローブを当てるだけで痛みはありません)

5. 腹部エコーで見つかる病気

5-1. 肝臓の病気

脂肪肝

肝臓に中性脂肪がたまった状態です。生活習慣病や過度の飲酒と関係していることが多く、日本では成人の約30%にみられます。放置して進行すると、肝硬変や肝臓がんに発展することもあるため、早めの発見と生活改善が大切です。

肝血管腫

血管の集まりでできた肝臓の良性腫瘍です。多くは無症状ですが、徐々に大きくなることがあるため定期的な経過観察が勧められます。

肝腫瘍(肝臓の腫瘍)

良性・悪性の両方があります。エコーで診断できるものもありますが、悪性腫瘍(肝臓がん)が疑われる場合は、造影CTやMRIなどでの精密検査が必要です。

肝嚢胞(かんのうほう)

液体のつまった袋状のかたまりです。1個〜複数個できることがあります。ほとんどは無症状で治療不要ですが、非常に大きくなると圧迫症状が出て治療が必要になることがあります。

5-2. 胆嚢・胆管の病気

胆のう結石・胆管結石

胆のう結石は無症状のこともありますが、炎症(胆嚢炎・胆管炎)の原因になります。胆管結石は合併症が起きやすく、基本的に治療が必要です。

胆嚢ポリープ

胆嚢の内側にできるポリープです。10mm以下であれば経過観察で可能ですが、10mmを超えると悪性化の可能性が高まり手術を検討します。定期的なエコー検査での管理が重要です。

胆嚢腺筋腫症

胆嚢の壁が厚くなる病気です。良性疾患ですが、悪性疾患との見極めが必要なため、定期的な観察が勧められます。胆石を伴うことも多いです。

胆嚢炎

胆嚢内で起こる炎症です。胆石が胆嚢の出口に詰まり、細菌感染を起こして発症することが多く、発熱や右脇腹の痛みを伴います。多くは治療が必要で、原因によっては手術になる場合もあります。

5-3. 膵臓の病気

膵臓はお腹の奥深くにある臓器で、エコーでもある程度確認できますが、詳しい評価にはCT検査を追加することがあります。

膵腫瘍(膵がんを含む)

良性・悪性の両方があります。膵がんは症状が出にくく発見が遅れやすい特徴があります。エコーで異常を指摘された場合は、造影CTやMRIで精密検査を行います。

膵嚢胞(すいのうほう)

液体のつまった袋状のかたまりです。肝嚢胞と異なり悪性化するものがあるため、精密検査や手術が必要な場合があります。定期的な経過観察が必要です。

膵結石

膵臓にできる石灰化です。慢性膵炎にともなってみられることが多く、大きくなると膵液の流れを妨げる場合があります。定期的な観察が必要です。

5-4. 腎臓の病気

腎結石

腎臓にできた結石です。尿路に詰まると激しい痛みを起こすこともあります。10mm以上の結石は定期的な観察が必要で、精密検査や治療には泌尿器科への紹介を行います。

腎嚢胞(じんのうほう)

液体のつまった袋状のかたまりです。多くは無症状で治療不要ですが、非常に大きくなった場合は治療が必要になることがあります。

腎腫瘍

良性・悪性の両方があります。悪性疾患の場合は治療が必要になるため、泌尿器科での精密検査を受けることをお勧めします。

5-5. その他の病気

腹水・腹部大動脈瘤・前立腺肥大など

腹水(お腹に水がたまる状態)、腹部大動脈瘤(大血管のこぶ)、前立腺の肥大など、さまざまな病気の発見にも役立ちます。これらも自覚症状が出にくいことが多く、エコー検査が早期発見に貢献します。

6. まずは腹部エコーから

腹部エコーはあくまでスクリーニング(ふるいわけ)の検査です。がんが疑われる場合や詳しい精査が必要な場合は、造影CTやMRIが行える専門病院への紹介を速やかに行います。

お腹の症状が気になる方、健診で異常を指摘された方、
「何となく心配」という方にも、腹部エコーは手軽に受けられる検査です。
痛みなし・被ばくなし・短時間で多くの情報が得られます。

気になる方はお気軽にご相談ください。

この記事の監修・執筆者
前川内科 院長:前川 直志(まえがわ ただし)
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本肝臓学会 肝臓専門医
三重県津市にて、地域に根ざした消化器内科・肝臓疾患の診療を行っています。